COUPLE

夫婦

  1. Home
  2. /
  3. 夫婦
  4. /
  5. ミシュラン二つ星の天ぷら職人が教える おいしい野菜の極意

ミシュラン二つ星の天ぷら職人が教える
おいしい野菜の極意

 バランスのいい食生活に欠かせない野菜。仕事や家事・育児に忙しい家庭では、休日に「1週間分の野菜をまとめ買い」ということも多いのではないでしょうか。
 そこで今回は、おいしい野菜の見分け方や保存方法について取り上げます。教えていただいたのは、おいしい野菜と向き合って50年、野菜天ぷらの先駆者として知られる「てんぷら近藤」の店主・近藤文夫さん。世界中のゲストを魅了するミシュラン二つ星の料理人が、家庭でもおいしくできる野菜天ぷらのコツについても伝授します!
近藤さん写真

自然の恵みを受けたおいしい野菜の見分け方

 野菜を見分ける際に全般的に言えるのは、旬の時期であることはもちろん、どのような環境で育ったかということ。手に持った時にずっしり重い野菜や色鮮やかな野菜は、自然の恵みを受けてのびのび育ち、たっぷり栄養を蓄えている証拠です。

野菜篭盛りの写真

【ニンジン】
 手に取った時にずっしり重くてツヤがあり色がきれいなものが、いいニンジンです。表面に傷がなく、茎を落とした芯の部分が黒くなりすぎていないものを選びましょう。おすすめは、3月頃から収穫される、雪の下で冬を越して甘みを蓄えた「雪下にんじん」です。

ニンジンを手に持っている写真

【タマネギ】
 皮が適度に乾燥してツヤのあるものが、よいタマネギです。表面がデコボコしていなくて、全体がかたく引き締まったものを選びましょう。首と根の部分がぎゅっと締まった丸くて重量感のあるものが、中の層がしっかりしています。首から芽が出てしまっているものは、成熟して栄養価が少なく味も劣るので避けましょう。

玉ねぎの写真

【レンコン】
 節の途中でカットして売られているものもありますが、切り口から傷みが進んでしまうので、節の両端が残っているものを選びましょう。土の中で横になって育つレンコンは、黒いヒゲ根から栄養を取って甘みを蓄えます。表面に傷や色ムラがなく、形はずんぐりとした寸胴型のものが良品です。あまり大きなものは、育ちすぎていて旨みも少ないため避けましょう。

レンコンの写真

【カボチャ】
 カットされたものなら、色が鮮やかで種が少なく、肉厚なものが理想です。種や“わた”の部分にすき間があるものは、熟しすぎているか乾燥していて味もよくありません。緑色が濃く形が整っていて、持った時にずっしりと重いものを選びましょう。

かぼちゃの写真

【シイタケ】
 シイタケの香りや旨み成分は傘の裏側のヒダから出るため、なるべくヒダが細かいものを選びましょう。軸は太くて短いものが良品です。春と秋に多く出回る原木シイタケは旨みも香りも強いため、おいしさを追求するなら原木シイタケがおすすめです。

【ナス】
 市販のナスは形も均一に美しく作られていて、基本的に味にハズレはありません。紫色が濃く、ハリとツヤがあるものを選びましょう。下の方がふっくらとして太いものが栄養を蓄えている証拠です。

なすを持っている近藤さんの写真

 

【鮮度を保つための保存方法】
 基本的に野菜の保存は冷蔵庫で。そのまま冷蔵庫の野菜室へ入れるのではなく、キッチンペーパーや新聞紙に包んで保存すると、鮮度が長く保てます。イモ類やタマネギは、冷蔵庫ではなく、風通しのいい冷暗所で保存します。ただし、気温が高い時期や冬場でも部屋の中が暖かい場合は、傷みやすいので、冷蔵庫で保存しましょう。

家庭でもおいしくできる野菜天ぷらのコツ 分量と油の温度がポイント!

 家庭でおいしい天ぷらを作るポイントは、「きちんと分量を量って衣を作る」ことと、「素材に適した油の温度をキープする」ことの2つ。あまり難しく考える必要はありませんが、目分量や勘に頼らずに基本をしっかり押さえることが大切です。

 

【薄衣の作り方】
① 粉をふるいにかける
 ふるいにかけることで粉が卵水に溶けやすくなり、サクっとした軽い食感の天ぷらができます。ふるいにかける際は20㎝くらいの高さから振ると、空気を含んで粉がサラサラになります。粉は、粒子が細かい薄力粉を用意しましょう。

②水に卵を入れて溶く
 冷蔵庫で冷やした水500㏄にLサイズの卵1個を割り入れて、菜箸でよく溶きほぐします。卵を溶いてから水を加えると、卵白がしっかり溶けたかどうかわからなくなってしまうので、水に卵を入れて溶きましょう。泡が細かくなってきたら、卵白も溶けた証拠です。

③卵水に粉を加えて混ぜ合わせる
 計量カップなどで、粉1:卵水1の割合(体積比)で分量を量り、卵水に粉を3回に分けて加えます。この時、卵水に粉を加えるのがポイント。ボールに粉を入れてから卵水を加えると混ざりにくくなってしまいます。

卵水に粉を入れている写真

 粉を加えたら、その都度3回ほど泡立て器で8の字を描くように軽く混ぜ合わせます。多少のダマは残っていてOK。箸ですくって衣がスーッと流れ落ちるくらいが目安です。

 

【天ぷらの揚げ方】
① 天ぷら鍋は、底が平らなフライパンがおすすめ
 底が平らなフライパンは油の温度が均一になり、揚げムラが防げます。直径26㎝程度の大きさのフライパンであれば、タネ同士がくっつかずに揚げられます。油の深さは3~4㎝を目安にしましょう。

② 油はブレンドされていない植物油が理想
 油は大豆油や米油など、他の植物油とブレンドされていないものがおすすめです。純正の植物油に、ゴマを生のまま搾った太白胡麻油(たいはくごまあぶら)を少し加えると、素材の持ち味を生かしたおいしい天ぷらができます。

③油の温度は、野菜は170℃、魚介は180℃をキープ
 揚げる時の油の温度は、野菜は170℃以上、魚介は180℃以上が適温です。タネを3つ以上同時に揚げる場合は油の温度が一気に下がるので、野菜は適温よりも高い180℃、魚介は190℃にして揚げ始めます。一度に多く揚げようとすると温度管理が難しくなるので、あまり欲張らず少量ずつ揚げるのがおすすめです。

170℃ 180℃ 190℃
野菜 ・魚介
・野菜を3つ以上揚げる場合
・魚介を3つ以上揚げる場合
衣を落とすと気泡とともに「シュワシュワ」という音を立てながら鍋底まで沈み、ゆっくり浮き上がってくる 衣を落とすと気泡とともに「シュワー」という音を立てて鍋の半分くらいまで沈み、すっと浮き上がってくる 衣を落とすと気泡とともに「シャー」という高い音を立て、油の中に沈まず勢いよく表面に広がる

 

【レンコン】

 タンニンを多く含むレンコンは空気に触れると変色したりアクが出たりするので、一度にたくさん切らず、また、切り終えたらすぐに使うのがポイントです。

 1.厚さ1㎝の輪切りにし、手早く皮をむく。粉をまぶし、余計な粉をはらう。

レンコンに粉をまぶしている写真

2.薄衣にくぐらせる。

レンコンを薄衣にくぐらせている写真

3.油に入れる。

レンコンを油で揚げている写真

4.泡が大きくなり、音が静かになってきたら引き上げる。予熱で火が入るのであまり火を入れすぎないこと。

レンコンの天ぷらの写真

[カボチャ]

厚めにカットして、じっくり火を入れたカボチャは、ホクホクとした食感が楽しめます。是非ご家庭でも試してみてください。

1.種と“わた”を包丁で取り除き、34㎝幅に切って粉をまぶして余計な粉をはらう。

2.薄衣にくぐらせる。

3.皮側を下にして油に入れる。

4.やや泡が大きくなって少なくなり、衣が固まってきたら裏返す。以降、何度か裏返しながら170℃くらいで火を通していく。カボチャは皮の方がかたいので、上下を入れ替えながら20分程度時間をかけて揚げる。

 5.泡がほとんど出なくなったら上げ頃。

 6.油から引き上げたら、キッチンペーパーに包んで予熱で火を通し、完成。

かぼちゃの天ぷらの写真

 

6070点で十分!家庭料理は満点を目指さなくていい

近藤さんの写真

 私には3人の息子がいます。彼らも今は結婚してパパとなり、夫婦で協力して家事・育児をこなしています。息子たちのように共働きで家事育児をしているご家庭は、毎日の料理も大変だと思います。料理というのは、その時ある材料で、いかに作れるかが大事。
 すごい料理を作ろうとこだわりすぎたり、完璧に作ろうと頑張りすぎたりする必要はなく、出来栄えは60点70点で十分です。100点は専門店で。今回お伝えした野菜天ぷらも、衣の作り方と油の温度だけ間違えなければ大丈夫。パパが作る天ぷらはお子さんも大喜びで食べてくれると思いますので、ぜひトライしてみてください。